西田欣央
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遺産分割協議書とは?
相続がはじまると
相続がはじまると、遺された財産が各相続人に帰属します。
遺言書が遺されていればその指示に従いますが、遺言書が無ければ遺産は各相続人の共有となり、その共有持ち分は法定相続割合の通りとなります。
例えば
被相続人 甲
相続人 妻・長男・長女
遺産
現金1000万円
自宅不動産
上記の場合
現金は
妻 500万円
長男 250万円
長女 250万円
不動産は
妻1/2
長男1/4
長女1/4
の割合で共有となります。
相続人全員で話し合い
遺産を法定相続割合通りに分ける場合は、それで良いのですが、
・不動産は母と同居予定の長男単独の名義にしたい
・現金は生前父の介護に尽くした長女が多く貰いたい
など、それぞれの思惑通りに配分したい場合もあります。
その場合は相続人全員で話し合い(協議)、遺産の配分を決める必要があります。
これを遺産分割協議と言い、この内容を記した書面を遺産分割協議書と言います。
遺産分割協議は
全員が一堂に会する必要はありませんが、
必ず相続人全員の同意が前提で、例え1人でも同意が欠けたり、協議に参加しなかった場合、その協議書は無効となります。
遺産分割協議書は、相続人全員で話し合った結果を書面に残す重要な書類です。相続人全員が署名し押印します。
押印は「実印」です
。
そして各手続きには印鑑証明書も添付する必要があります。
この書類に基づいて色んな財産を動かすと思えば、これぐらい厳格で丁度良いのかも知れません。
遺産分割協議書は一度作成してしまうと絶対に取り消せないのか?と言うとそうではありません。
しかし、協議のやり直しには相続人「全員の同意」が必要になるので、やはり簡単には出来ません。
協議書の作成時には、全員が納得のうえで署名・押印が必要ですね。
遺産分割協議書が
必要な場合
先に述べました通り、法定相続割合の通りに相続されるのであれば、協議は必要ありません。
ですが、遺言書が無く法定相続分とは異なる遺産分割をしたい場合、遺言書には記載がない財産が出てきた場合などに遺産分割協議
が必要になってきます。
そして、例えば不動産の相続登記には「遺産分割協議書」が必要になります。
その他
・預貯金相続
・自動車の名義変更
・有価証券の相続
・相続税の申告
などの手続きにも「遺産分割協議書」が必要となってきます。
遺産分割協議書
作成の流れ
1
相続人の確定
まずは、誰が相続人なのかを確定させなければなりません。一人でも欠けた場合は遺産分割協議が成立しません。参加すべき相続人を確定させる必要があります。
具体的には被相続人(亡くなった方)が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本等を集めます。
2
相続財産の確定
相続すべき財産も確定させる必要があります。
財産とは現金・有価証券・不動産・車などのプラスの財産の他に、借金・ローンなどのマイナスの財産も含まれます。
相続とはマイナスの財産も受け継ぐ事になりますので、マイナスがプラスを上回るようであれば、相続放棄の手続きも考えなければなりません。
3
遺産分割協議
先に確定した相続人全員で、「誰」が「何」を相続するのか話し合います。全員が一堂に会するのが理想ですが、遠方などで無理であれば電話などで意思を確認して行う事も可能です。
全員が同意して初めて成立する協議です。相続人が大勢いる場合、なかなか纏まらない場合もあります。どうしても合意できない場合は遺産分割調停を行い、それでも纏まらなければ家庭裁判所が遺産分割を決める遺産分割審判となります。
4
遺産分割協議書作成
協議がまとまれば遺産分割協議書として作成します。相続人全員が合意した証として、署名・実印での押印を行い、印鑑証明書を添付します。提出先によって印鑑証明書の期限が異なる場合があるので、要注意です。
ただし相続人に未成年者がいた場合、そもそも分割協議に参加できず署名もできませんので法定代理人(父母等)が代わりに参加します。
ここで注意ですが、その法定代理人も同じ相続の相続人である場合は未成年者の「代わり」には成れません。
この場合は、家庭裁判所に「特別代理人」を選任してもらい、その特別代理人に参加しもらいます。
5
各手続き
遺産分割協議書が完成です。
不動産の相続登記、預貯金の相続などの必要書類になります。
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